INTERVIEW インタビュー
航一役・梅田修一朗/ポップ☆ステップ役・長谷川育美
オフィシャルインタビュー
――第5話の前半では、航一とポップの印象的な過去エピソードが明かされました。過去の物語を知った際に、どんな感想を持たれましたか?
長谷川:まさかこんな、少女漫画みたいな出会いをしていたなんて!小さい頃に命を救ってもらっていたなんて、王道中の王道ですよね(笑)。
梅田:ポップは気づいていたのに航一は気づいていないところも、さらに幼い頃のポップを男だと勘違いしているところも少女漫画っぽいですよね(笑)。また、その頃から航一にはヒーローの素質が備わっていたとわかるエピソードになっていました。
――第5話の中で、2人の関係性の変化を感じられる部分があったら教えてください。
長谷川:もはやポップが航一の家にいるのが当たり前になっているところですね。
梅田:勝手に冷蔵庫も開けてますしね(笑)。
長谷川:そうなんですよ(笑)。航一もそれに対して何も言わないし、そばにいるのが当たり前になっているところが微笑ましいです。
梅田:最初は異色の組み合わせだと思っていたのに、今は逆にしっくり感じるのが不思議で面白いですよね。
長谷川:ヴィジランテの活動を通して一緒に壁を乗り越えて来たからこそ、今のような関係性が生まれたのだと思います。
――そんな、航一の部屋に集まり、ポップ、ナックルと3人で過ごす日常のシーンが度々描かれます。3人の掛け合いの中で、楽しいと感じられるのはどんなところでしょうか。
長谷川:ナックルがデリカシーのないことを言って、それにポップがツッコむという流れがお馴染みになってきているところでしょうか。他人に対して、あんな120%くらいの怒りってなかなかぶつけられないですよね。それが許される空気感があって、もはや家族のような関係性になっていると思います。「お父さんに言う感じで」というディレクションが入ったこともあるので、もはや家族同然ですよね(笑)。
梅田:航一は困っているように見えていますが、2人がギャーギャー騒いでいることに「こんな日常もいいな」とホッコリした気持ちが芽生えてきているようにも感じます。2人のおかげで生活がガラリと変化し、賑やかになったことに嬉しさや楽しさを感じているように思い、収録していて僕自身も楽しい気持ちになりますね。
――第5話では、ポップの様々な表情や感情の変化も見られました。ポップについて、魅力的だと感じる部分を教えてください。
梅田:登場人物の中で、ポップが一番表情豊かですよね。航一も場面によって表情は切り替わりますが、基本はホヤホヤしているし。喜怒哀楽がハッキリしているところが、ポップの魅力だと思います。
長谷川:これまでのストーリーで、なぜポップが航一にここまで突っかかってくるのか不思議に感じた人もいると思うんです。それが今回、彼女の過去がわかり、きっとこれからポップのことがとてもかわいく見えてくるのではないでしょうか。恋心に素直になれない子って、すっごくかわいいですよね!
――長谷川さんは、航一とポップの掛け合いを演じる上で意識されていることはありますか?
長谷川:感情表現は豊かなのに、航一への好意は押し殺すことを意識しています。それでも出てきちゃう「好き」がポップの魅力につながっているので、そのメリハリは特に大切に演じています。
――個性的なキャラクターが数多く登場する本作ですが、ご自身のお気に入りのキャラクターと、その理由を教えてください。
長谷川:私は蜂須賀九印が好きです。何をしでかすかわからないところにワクワクしますし、“個性”もとても不気味でかっこいいですよね。また、私は千本木彩花さんの感情が滲むお芝居が大好きで、千本木さんが演じられたことで、より一層好きになりました。毎回どんなアプローチをされるんだろうとワクワクしています。
梅田:すごくわかります。蜂須賀が感情を出すと、シーンの迫力が増しますよね。僕も蜂須賀が好きですが、航一を演じることによってすごく好きになったキャラクターは、師匠(ナックル)です。この『ヴィジランテ』の物語は師匠がいなきゃ始まらなかったですし、最初に航一のヒーローの素質を見抜いてくれたのも師匠でした。また、“個性”を持っていないところも、好きな理由の1つです。個性社会において、“個性”がなくても日々鍛錬を重ね、自分の目的のためにヴィジランテとして活動しているナックル。『ヒロアカ』のデクとはまた違った“ヒーローの心”を持っていて、ロマンがあると思います。
――第5話の物語の中で、「これは熱い!」と感じたのはどのシーンでしょうか。
長谷川:熱いといえば、ポップが航一へ思いを伝えに行こうと、夜を駆けるシーン。バトルとはまた違った熱い気持ちが込み上げてきました。そこはオーディション原稿にも入っていたくらい、作品においても重要なシーンです。アフレコで何度も録り直しをして挑戦させてもらったシーンでもあるので、色々な意味で熱いシーンになりました。まだ完成した映像を見られていないので、私自身も楽しみにしています。
梅田:ポップを好きになる人が増える第5話だと思うのですが、それと同時に、航一の魅力も倍増する話になっていると思います。最初は「冴えない主人公」という印象を持った方が多いと思うのですが、過去、高校のヒーロー科受験という自分の人生のかかった大切な日に、それよりも人命を優先しました。ヒーローになるための受験を、ヒーローらしい行動をして不意にしてしまったなんて、本当に航一らしいですよね。愚かに見えるけれど、とても熱いと感じられるシーンになっていました。
――第5話の見どころや注目ポイントを教えてください。
長谷川:第4話までのポップの言動や行動の意味がわかる、答え合わせの第5話になっています。なぜポップが航一と行動を共にすることになったのか。それを知ると、より一層ポップのことが好きになると思います。
梅田:ポップを通して航一の魅力も知れる話になっていると思います。ポップの過去を知ることによって、航一のことを「かっこいい!」と思ってもらえるのではないでしょうか。
――第5話の後半では、新たなキャラクター、スタンダールとの出会いが描かれました。凄まじい強さと存在感をみせつけたスタンダールですが、彼の第一印象を教えてください。
梅田:第一印象は「強い!かっこいい!」という印象でしたが、その直後に残忍な姿も描かれていて、「ヒーローとは?」「正義とは?」と考えさせられるキャラクターだと思いました。航一とスタンダールは見ている方向が違うわけではないけれど、“何か”が違うんです。そこに明確なラインは引けなくて、とても曖昧。だからこそ、各々の正義感が問われるというか。出会いのシーンでは助けてもらったので、航一とポップは安心感を覚えたようでしたが、視聴者には恐怖感も与えるキャラクターだったと思います。
梅田:『ヒロアカ』でのスタンダールは「ステイン」というヴィランとして登場していましたが、『ヴィジランテ』は少し違う目線で描かれています。梅田さんのおっしゃる通り、スタンダールだった頃は正義か悪かは明確に判断しきれず曖昧な立ち位置として描かれていて、その曖昧さがより恐怖心を煽るキャラクターになっていると思いました。
――第5話では、緊迫したバトルシーンも登場しました。収録時に印象に残っている出来事はありますか。
長谷川:(スタンダール役の)井上剛さんのアフレコを後ろから見ていて、「スタンダール強いなぁ!」とただただ圧倒されていました。
梅田:井上さんのお芝居、かっこよかったですね!
長谷川:ね!音響監督の三間さんの細かい指示に、井上さんが針に糸を通すくらいの繊細な演技で返されていて。すごく高度なやり取りを見せていただきました。
梅田:あのハイレベルなやり取りは、本当に痺れました。航一がスタンダールに抱いた感情と同じく、僕も「かっけー!」と思いながらそのやり取りを見ていました。スタンダールが戦う中で陶酔していく様子や、シーンに漂う緊張感を演技で見事に表現されていました。