INTERVIEW インタビュー
航一役・梅田修一朗/スタンダール役・井上 剛
オフィシャルインタビュー
――“ヒロアカ”でステインを演じた井上さんですが、その前身となるスタンダールを『ヴィジランテ』で演じてみていかがでしたか?
井上:『ヴィジランテ』の存在は知っていましたが、“ヒロアカ”出演時には読んでいませんでした。まさかアニメ化して、ステインになる前の赤黒血染を演じることができるなんて。アフレコがとても楽しみで、実際に演じてみても楽しかったです。
――演じる際に意識したことや、難しいと感じたことは?
井上:“ヒロアカ”で演じたステインのイメージのまま演じればいいと思ったのですが、台本を読んでみると、航一を「君」と呼んだり、ナックルを「あなた」と言ったり、礼儀正しくて驚きました。ステインは自分の行動を確立していたのに比べ、スタンダールはまだ会話ができる状態というか……。ステインの持っていた狂気性をかなり薄めて演じることを意識したのと、同時に難しく感じた部分でしたね。
――第6話では、スタンダールと航一、そしてスタンダールとナックルとの戦いが描かれました。見応えある映像になっていましたが、演じられての感想を聞かせてください。
井上:ステインは、スタンダール時代もやはり強かったんだなと。「凝血」という“個性”は、相手の血を舐めることによって、対象の身体の自由を奪います。その血を舐めるためには、相手を攻撃して傷つけなければいけないわけで、“個性”を使わずとも相手に一撃食らわせなければならない。“個性”に頼れない場面でもしっかりと戦闘できるほどの鍛錬を重ねていたんだなと、彼の強さを改めて実感したシーンでした。
――梅田さんは、スタンダールvsナックルの戦いを見ていかがでしたか?
梅田:ナックルが強いことはわかっていますが、スタンダールの強さや狂気も知ってしまった分、2人の戦闘シーンはこれまでの話数の中で一番緊張感のあるものになったと感じました。ナックルが反則みたいな勝ち方をしたのも『ヴィジランテ』ならではのシーンになっていたと思いますし、また、スタンダールも恐ろしいけれど「かっこいい」と思わされてしまう。いろいろな魅力が詰まったシーンになっていると思いました。
――そのナックルとの戦闘を経て、スタンダールはステインへと変貌します。井上さんは役を演じる上で、“ヒロアカ”と本作で共通させたこと、また意図的に違いを出した部分はありましたか?
井上:芝居で共通させることはなかったですが、やはり信念が違うところは明確に意識して演じなければと思っていました。ステインは「贋物のヒーローに粛清を与える」という信念を確立していましたが、スタンダールはまだそこへはたどり着いていません。それが、今回のナックルとの戦いをきっかけに、確固たるものへと変わっていきます。変化はあるけれども、自分の信念に対しての一途さは共通しているキャラクターだと思いました。
――スタンダールは強い信念を持って行動するキャラクターです。お2人にも信念や、強いポリシーがあったら教えてください。
井上:そんな崇高なものではありませんが、「人に迷惑をかけない」を信念に生きています。それくらいですかね(笑)。
梅田:生きていく上ですごく大切なことですよね。僕は「人のために頑張る」というわけではないのですが、任せてもらったことや、自分が今やるべきことを頑張ることが、結果的に人のためになるのではないかと思っています。
井上:素晴らしい!まるで航一くんみたいじゃないですか!
梅田:僕はあそこまで人のために動けません……!「誰かのために頑張る」は身に余ることなので、自分が頑張れば誰かも頑張って、相乗効果で良いものが出来上がれば良いなと思っています。
――第6話の注目ポイントや見どころを教えてください。
梅田:ナックルとスタンダールの戦闘シーンは、改めてナックルの強さや彼のヒーロー像が見えてきます。そして、スタンダールがステインになっていく様も見ることができるので、『ヴィジランテ』を楽しんでくれている方はもちろん、“ヒロアカ”ファンの方にとってもワクワクハラハラしてもらえるお話になっています。
井上:梅田くんの言った通り、スタンダールがステインになるきっかけが描かれる第6話になっています。なぜステインがあの信念を持つようになったのか。“ヒロアカ”へと繋がる重要なエピソードになっていますので、是非見てほしいですね。
――第6話のラストでは、スタンダールの衝撃的なシーンが描かれ、今後が気になるドラマティックな展開で幕を閉じました。スタンダールは今回の出来事をどのように捉え、今後ステインへと変化していくのだと思いますか?
井上:ナックルの言葉を天啓のように捉えたスタンダールにとって、ステインは「僕が考えた最強のヒーロー」なんでしょうね。“ヒロアカ”でステインはオールマイト以外のヒーローのことを「偽物」と言っていましたが、この一件があって、あの考えに至ったのだとわかりました。自分が本当に裁くべきはヴィランではなく、“偽物のヒーロー”なのだと。その“偽物”の中に今の自分も含まれていると感じ、仮面を脱ぎ捨て、さらに鼻を削ぐという行動を取ります。こうしてスタンダールはヒーロー殺しのステインになったのだとわかりました。
梅田:この作品において「ヒーローは何たるものか」というのが大きなテーマになっていると思います。ヒーロー一人ひとりにそれぞれ信念があって、それが正解なのか間違っているのか。スタンダールは、そんな問題を提起するキャラクターになっていると感じました。今回彼のバックボーンが描かれたことで、それ以外のヴィランも、何かきっかけがあってヴィランになったのだと考えさせられるキャラクターにもなっていましたね。
――後半の物語の中で注目しているキャラクターは誰でしょうか。今後の物語のヒントも教えてください。
梅田:以前のインタビューで好きなキャラクターとしてもナックルを上げましたが、今後の展開として注目してほしいのもナックルです。なぜトリガーを探しているのか、ヴィジランテの活動に航一を無理やり誘った理由は何なのか。それがわかってくると同時に航一の新たな魅力を発見でき、またヴィランに立ち向かっていくかっこいい姿も見ることができるので、視聴者の皆さんにも注目してほしいです。
井上:スタンダールを演じたからこそ、彼と一緒に行動していた蜂須賀九印に注目しています。彼女が何者なのかは、物語後半に向けてかなり重要なポイントとなってくるので……。
梅田:誰が見ても怪しいですもんね(笑)。気になってしまいます。
井上:そうなんです。なぜ蜂須賀があんなことをしているのか、ぜひ注目してください