INTERVIEW インタビュー

ポップ☆ステップ役・長谷川育美/塚内 真役・瀬戸麻沙美
オフィシャルインタビュー

――瀬戸さんが『ヴィジランテ』の物語に最初に触れた際の印象を教えてください。

瀬戸:“ヒロアカ”の世界線を描いた物語ということで、「主人公がヒーローになるまでの成長物語なんだろうな」と想像して読み始めました。しかし実際に読んでみると、主人公の航一のやっていることがかなり泥臭くて驚きましたね。人を救うために動いているのに、なんだかダークな雰囲気漂う作品だな、というのが最初の印象でした。

――第7話では、塚内 真が物語に初登場となりました。真というキャラクターの印象も聞かせてください。

瀬戸:まだ大学生だというのに、完成された“イイ女感”を感じました(笑)。姿だけでなく発言からも、経験値の高さみたいなものが感じ取れて。あの大人っぽさには、彼女の“個性”「噓発見器ポリグラフ」が関わっていると思います。あの“個性”を持ってしまったからこそ、他人との距離には人一倍気を付けて生きて来たのではないかと。きっと痛い思いもたくさんしたんじゃないかな……。その経験が、今の彼女を作り上げていると思います。

長谷川:ポップを演じている目線で見ると、「厄介な女が現れた!」ですよね(笑)。急に好きな人の家に現れたキレイな女の人。中学生のポップからしたら大学生は大人ですし、手ごわいどころか、太刀打ちできそうにない(笑)。人としても、女性としても自分よりも上の人が出て来て、きっと焦る気持ちは大きかったと思います。

――そんな真を演じる上で、瀬戸さんはどんなことを意識しましたか?

瀬戸:今言った印象通りに大人っぽく作りすぎると、背伸びしている感じが出てしまうと思いました。一般的な女子大生と比較すると落ち着いているように見えても、性格の部分で等身大の大学生らしさも持ち合わせているので、意識したのは「大人っぽく作りすぎないこと」ですね。

――長谷川さんは、瀬戸さんの作り上げた真に対してどんな印象を抱いたのでしょうか。

長谷川:真というキャラクターは、言うなれば“途中からひょっこり出て来た、ポップの恋敵”。視聴者さんの捉え方によっては、もしかすると「なんだこいつ!」と思ってしまうかもしれません。しかし、瀬戸さんが先ほど言ったことを意識して演じた真が的確すぎて、いやらしさが1つもないんですよ。女性としての魅力ももちろんあるけれど、それを上回る人間性、優秀さがにじみ出ていて、「ポップの恋敵」よりも「頼りがいのあるお姉さん」という印象が強くなりました。

――瀬戸さんにもポップの印象をお聞きしたいです。

瀬戸:もう「かわいい!」に尽きます(笑)。アイドル活動という派手な行動はできるのに、普段は控えめで恥ずかしがり屋なところや、航一に対してツンツンしちゃっているところも本当にかわいい!

――では、航一とポップの関係性についてはどのように捉えられていますか?

瀬戸:2人の関係性も「かわいいなぁ~」と微笑ましく見ています。どっちも「自分の方がお兄さん/お姉さん」だと思ってそうですよね(笑)。年齢的には航一の方がお兄さんで正解ですけど、そんな航一に頼りなさを感じてポップが「私がしっかりしなくちゃ!」と積極的に情報収集をしたりしていますし。お互いがお互いの「面倒を見てあげている」と思っていそうなところが、逆に良いバランスを取れている要因になっているんじゃないかな。でも、そのせいで恋愛面が発展しないのかも……?

長谷川:ポップから航一への矢印は向いているものの、航一はまずアンテナすら持っていないですよね。ポップが素直じゃないのもありますが、航一が鈍感すぎる(笑)!ここまで色々な問題を一緒に乗り越えていたら、普通は何か起こりそうなのに……。

瀬戸:吊り橋効果だらけだもんね(笑)。

長谷川:そうなんですよ!もどかしいと思いながらも、そんな関係をこのまま見続けていたいという個人的な思いもあります(笑)。

――航一と真についてはどうでしょう?

長谷川:急にデレデレし始めたから、航一にも恋愛のアンテナはあったんだ!と思いました(笑)。

瀬戸:確かに。でもあれくらいの年齢の男の子は、みんな年上のキレイなお姉さんに対してデレデレしちゃうんじゃないかな(笑)?また、真は「きっとこの子はお願いしたら断らずに聞いてくれるだろう」という航一の人の良さを見抜いて話しかけたと思います。現状、恋愛の矢印についてはわかりませんが、真が航一と交流していく中でどんな風に心が動いていくか、楽しみにしてほしいです。

――そんな真の登場によって、第7話ではポップが自分の感情を露わにするシーンもありました。

長谷川:真の存在にモヤモヤしつつも、2人が会話しているところを邪魔しに飛び出していかないところがポップらしいと思いました。「苦労マンへの街の声」に寄せられた厳しいコメントを嬉しそうに読んで聞かせるのも、仕返しの仕方がいじらしいというか(笑)。これまで素直に気持ちを表に出せなかった分、“嫉妬”という感情を前面に出して動いたのは新鮮でしたね。

――瀬戸さんは“ヒロアカ”より先に『ヴィジランテ』を読んだそうですね。“ヒロアカ”のキャラクターも登場する本作ですが、気になっているキャラクターはいますか?

瀬戸:“ヒロアカ”をまだ読み終えていないところなので、みんな気になります。アフレコ現場でも、新アニメとは思えないくらいキャストの皆さんが慣れ親しんだ空気感を醸し出しているんですよね。今作は“ヒロアカ”よりも過去を描いているので、そんなキャストさんたちに「もっと粗削りに」「もっと突っ走って」「感情のコントロールができていない感じを出して」など、経験値を落とす表現のディレクションが入っていました。それを聞いていて気になったのは、相澤さんです。

長谷川:おお!“ヒロアカ”ファンにとって、『ヴィジランテ』は相澤先生の過去も注目ポイントですよね。

瀬戸:その過去を先に知ってしまったので、“ヒロアカ”での活躍が楽しみなんです。私だけ楽しむ順番が逆になってしまっていて、すみません(笑)。

――第7話の注目ポイントや見どころを教えてください。

瀬戸:まず、真がめちゃめちゃ喋っています。

長谷川:本当に!しかも説明セリフばかりで、私だったら声が震えていたと思います(笑)。

瀬戸:私も前日あんまり眠れなかったよ(笑)!ヒーロー社会について長々と説明するシーンがあるので、そこはぜひ注目してほしいです。

長谷川:説明セリフって本当に難しいですよね。文言の意味を理解するのも大事だし、そもそも長くて難しい文章を噛まずに言わなければならないですし。これを初登場回でやり遂げた瀬戸さんはさすがです!

――第7話では、真の“個性”である「噓発見器ポリグラフ」が発動するシーンがありました。この“個性”については、どのような印象を持たれましたか?

瀬戸:真は今でこそこの“個性”を使いこなしていますが、能力をコントロールできるようになるまでは、傷つくこともたくさんあったと思うんです。“人に触れる”ことが発動条件なので、不本意に嘘を知ってしまうこともあっただろうし。でも真は、それで人と関わらないという道を選ばず、“個性”を活かして人と関わる道を選んだ。きっと彼女をその道に進ませた何かがあるんだろうなと思いました。

長谷川:瀬戸さんのおっしゃる通りです。もし私がこの“個性”持っていたとしたら、真のような明るく社交的な性格にはなれていないと思います。真にだからこそ備わった“個性”なんだと思いましたね。

――もし「噓発見器ポリグラフ」を使いこなせたとしたら、どんな時に使いたいですか?

瀬戸:使いこなせたとしても、絶対に友達や家族には使いません。知らなくて良いことの方が多いもんね(笑)。

長谷川:知らない方が幸せなことの方が多いですよね(笑)。

瀬戸:プレゼントする際に「今ハマっているものは?」とか「今好きなものは?」と聞いて、本当に好きだったものに関連したものを贈ろうかな。

長谷川:それはいいですね!私もそういう平和な方向で使いたいです。気持ちを試したりはしたくないですね。

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