――『ヴィジランテ』の物語に最初に触れた際の印象を教えてください。

森川：台本を読んで世界観や設定はわかっていましたが、出来上がった絵やアフレコ現場で他のキャスト陣の演技を受けて、思い描いていたものよりポップな作品だと感じました。途中参加ということで、そのノリに付いていかなきゃいけなかったのが大変でしたね。ただでさえキャプテン・セレブリティはテンションの高いキャラクターなので(笑)。自分の用意していたものよりも数段上のテンションで演じなければならなかったので、アドレナリンを出して頑張りました(笑)。

――森川さんの言う通り、キャプテン・セレブリティはテンションが高く、また個性的な風貌も印象的です。第一印象はいかがでしたか？

森川：風貌は「ザ・アメリカン」ですよね。性格もすごく陽気で、その場のテンションとノリで生きている感じ(笑)。アメリカンヒーローのイメージをそのまま具現化したようなキャラクターで、戦い方も軽快でかっこよく、演じていてとても楽しかったです。しかし、それは彼の“表側”の部分。話が進むにつれてわかってくるのですが、彼のバックボーンで描かれる“裏の部分”はとても人間味があって、役者として演じ甲斐のあるキャラクターだと思いました。

――「用意していたものよりも数段上のテンションで演じた」とのことですが、現場ではどのようなディレクションが入ったのでしょうか？

森川：最初は「僕がこういった役で呼ばれたということは、きっと吹き替えのような演技を求められているんだろうな」と勝手に解釈し、リアルな芝居をしようと思っていました。しかし、絵や他のキャスト陣の演技を受けて「いや、それではダメだ！」と瞬時に切り替えましたね。その演技がハマっていたのか、特にディレクションが入ることはありませんでした。

――演じていて感じた、キャプテン・セレブリティの魅力は？

森川：人間くさいところですね。よく見られたいとか、異性関係がだらしないとか「結局のところ人間は自分中心に生きているよね」という最たるものが詰まっているところが魅力だと思います(笑)。今語れるのはそこまでで、先ほど言ったように、これからの展開で彼のバックボーンが見えてきます。彼の魅力はそこに詰まっていて、今後のキャプテン・セレブリティの活躍にも注目してほしいです。

――演じて「楽しかった」とのことですが、逆に難しい部分はあったのでしょうか？

森川：英語のセリフです。アフレコ台本は縦にセリフが書かれているので、英語がまず読みづらい！尺を合わせる作業が大変でした。これ以上、英語のセリフが増えないことを願っています(笑)。

――他のキャスト陣に話を聞いても、キャプテン・セレブリティのシーンの収録は賑やかで楽しかったと言っていました。

森川：キャプテン・セレブリティを盛り上げるチアガールや応援団の収録ですよね。実は、僕はその収録に立ち会えなかったんです。相当盛り上がったと聞いているので、出来上がったものを見るのがとても楽しみです。

――航一役の梅田修一朗さんや、塚内真役の瀬戸麻沙美さんとは一緒に収録できたと聞いています。何か印象に残っているエピソードはありますか？

森川：他の現場でも一緒になることが多くて、梅田くんと仲良くさせてもらっています。なので、彼がアフレコで鍛えられている姿を見ると「頑張れ！」という気持ちになるんですよ。『ヴィジランテ』の音響監督を務める三間さんとも30年以上の付き合いで、彼の若手を育てる手腕は信頼できます。すごく厳しいことを言ってくるのですが、それは作品や若手に対する愛情なんですよね。実際、梅田くんの演技は著しく成長していると感じます。僕も若手を育てる立場にあるので、その様子を微笑ましく見ている一方、勉強もさせてもらっています。

――第8話の見どころや注目ポイントを教えてください。

森川：満を持して、キャプテン・セレブリティがアメリカからやって来ます！皆さんの期待以上の活躍をするのですが、それは「ヒーロー」としてはもちろん、違う意味でも……(笑)。今は別のキャラクターを推しているかもしれませんが、第8話を見ると、きっとキャプテン・セレブリティの虜になることでしょう。ぜひ彼の活躍に期待してください。よろしくお願いします。チアリーダー募集中！

――全体を通して印象的だったシーンや、見返してほしいポイントがあれば教えてください。

森川：『ヴィジランテ』は本当に映像がキレイで、さらに他の作品にはないアメコミ風の演出が面白くて、何度見ても飽きないアニメーションだと思います。個人的に、アニメでも距離感や縮尺などが気になってしまうタイプなのですが、それが気にならないくらいのポップな描写がとても魅力的。キャプテン・セレブリティは、そのアメコミ風な雰囲気をより一層盛り上げるキャラクターです。彼の目立ちたがり屋な部分が隠しきれない戦闘シーンも見どころですし、また航一や真とのセリフの掛け合いも楽しいですし……キャプテン・セレブリティのシーンは全部注目して、何度も見返してください！