INTERVIEW インタビュー
蜂須賀九印役・千本木彩花
オフィシャルインタビュー
――本作の物語に触れた際の印象を聞かせてください。
千本木:自警団をメインに描いているということで、“ヒロアカ”とはまた違ったアングラな感じが面白いと思いました。ヒーロー活動に比べてやっていることは小さかったりするけれど、そこが身近に感じられて、私たちの過ごしているリアルな日常と重ね合わせながら楽しむことができる作品だという印象を持ちました。
――ご自身が演じられている蜂須賀の印象もお願いします。
千本木:女子高生をしながら、バイトで敵をやっているという設定からワクワクしました。ただ、演じるとなるととても難しいキャラクターで、これからの話数で明らかとなってくるのですが、蜂須賀は“大きな秘密”を抱えています。それを踏まえてどんな演技をすればいいのかと、自分が作っていったイメージと、音響監督の三間さんが欲しいものを現場ですり合わせながらアフレコしました。
――三間さんからは、具体的にどのようなディレクションが入ったのでしょうか。
千本木:印象に残っているのは、「もっとワクワクしてほしい」というもの。蜂須賀は“とある計画”を遂行しているのですが、「それによって街が混乱する様子にワクワクしてほしい」というのと、また「“街がどのようになっていくのか”という探求心を前面に出してほしい」というディレクションをいただきました。
――今触れていただいたように、蜂須賀は街を混乱に陥れるキャラクター。演じていて面白いと感じるポイントはどんなところでしょうか。
千本木:他のキャストさんと同じ現場にはいるのですが、私だけがちょっと離れたところに座っているんですよね。蜂須賀がやったことで航一たちが困っている様子を離れたところから見ている……という構図がアフレコ現場でも再現できていて、意図的ではなく、自然にその構図が生まれたのが面白いなと思いました。
――敵であるにも関わらず、蜂須賀はスタッフ・キャストからの人気も高いキャラクターです。そんな蜂須賀の魅力はどんなところだと感じていますか?
千本木:敵なのですが、彼女の目的は「悪いことをする」ではないんですよ。単純に興味があるから“計画”を遂行していて、それを純粋に楽しんでいるところが魅力なのではないかと思います。
――第9話では、暴走バスを止めるために航一やインゲニウムたちが奮闘し、一丸となって市民の救助を行いました。スピーディーなアクションシーンが楽しめるエピソードになっていましたが、千本木さんが感じた見どころや注目してほしいポイントは?
千本木:挙げていただいたシーンが、やはり注目ポイントだと思います。アフレコではまだ線画状態で音もついていなかったのですが、アニメで絵と音がついた状態でインゲニウムさんたちが道路を滑走していく姿を見ると、印象がガラッと変わります。緊迫感の中に爽快感のあるシーンになっていると感じました。
千本木:あと、猫ヴィランがとってもかわいい!バスを乗っ取られるのは困りますが、ビジュアルがすごくかわいくて「乗ってみたいな」なんて思っちゃいました(笑)。そんなバスから、エニグマが「ほいさ、ほいさ」と言って乗客を助け出すシーン。あそこは「もっと緩くやっちゃっていいよ」とディレクションが入っていて、そこも緊迫感の中にゆるふわな雰囲気が漂うギャップあるシーンになっていました。ぜひ楽しんで見てほしいです。
――ちなみに、これまで参加されたエピソードの中で、特に印象に残っているのはどんなシーンでしょうか?
千本木:キャプテン・セレブリティが出てくる回は、空気が一気に華やかになるので印象的ですね。アフレコ現場でも(キャプテン・セレブリティ役の)森川智之さんが空気を作ってくれて、ガヤで女性ファンを演じることもあるのですが、心から「キャー!セレブリティー!」とはしゃいで演じられます(笑)。スケジュールの都合で森川さんがみんなより先にアフレコを終えて現場を出なければならない日があったのですが、スマートに出番を終えて、颯爽と現場を後にする姿も「セレブリティっぽい!かっこいい!」と思っちゃいました(笑)。
――個性的なキャラクターが続々登場する本作ですが、気になるキャラクターや、好きなキャラクターは?
千本木:釘崎爪牙です。あの3人組(ソーガ、灯市燃、十日夏ラプト)って、1話と2話でかなり悪役っぽく描かれていたじゃないですか。それがだんだん悪い人ではない印象に変化してきて、憎めない感じがすごく好きです。この『ヴィジランテ』という作品は、主人公の航一をはじめ、ポップ、ナックルなどの登場人物たちみんなに“欠けている部分”があると感じていて、それを一緒にいることで補い合っていると思うんです。そこが作品の魅力であり、不良3人組にもそれが備わっていると感じました。
――様々な“個性”も登場しますが、どんな“個性”を持ちたいですか?
千本木:航一の「滑走」の“個性”が欲しいですね。自転車と同じくらいの速さだということで、例えば駅まで10分かかるとしたら、それを5分に短縮できるじゃないですか。とても便利だと思います。四つん這いにならなきゃいけないのはきついですけど(笑)。時間を短縮できる分、長く寝られたり、準備に時間がかけられるのは良いですよね。
――インゲニウムの「エンジン」の“個性”じゃなくて良いのですか?
千本木:あれは速すぎます!持っている物が全部飛んで行っちゃいそう(笑)。ポップの「跳躍」の“個性”も憧れますが、服装に気を使わなきゃいけないと思うので、やっぱり航一の個性がちょうどいいです(笑)。
――いよいよ物語は後半へと向かいます。今後の物語の中で、注目しているキャラクターは誰でしょうか。後半の物語のヒントを含めて教えてください。
千本木:いよいよここから後半戦に突入します。後半ではナックルの心情を描く展開があり、私も演じていて胸がギュッとなりました。これまでの話数でナックルが蜂を追っている描写がありましたが、後半でその理由も明らかとなります。それには、先ほど言った蜂須賀の“大きな秘密”が関わっていて……。蜂須賀にはもちろん、ナックルの活躍、そして2人の関係性に注目してください。