INTERVIEW インタビュー

ナックルダスター役・間宮康弘/蜂須賀九印役・千本木彩花
オフィシャルインタビュー

――『ヴィジランテ』の放送が遂にスタートしました(※インタビュー時)。改めて、映像をご覧になったご感想を教えてください。

間宮:梅田くんや長谷川さんとも話していたのですが、オープニングからすでに印象的ですよね。スタイリッシュで疾走感があって、アメコミを彷彿とさせる吹き出し描写など、たまらなくかっこいいと思いました。ポップなオープニングに比べてエンディングは疾走感のある中にドラマチックさも含まれていて、その“対比”という意味だと、暗い夜のカットが多いのも“ヒロアカ”と対照的で面白いと感じました。全体的に作画クオリティが高く、気合いが感じられる第1話になっていました。

千本木:対比もありつつ、アメコミ感が“ヒロアカ”を彷彿ともさせてくれましたよね。間宮さんの言った通り、そんなアメコミ感満載のオープニングに比べて、エンディングが憂いを帯びていてステキだと思いました。ヒーローになりたいけどなれなかった主人公を描いた物語ということで、その“もどかしさ”みたいなものが絵や歌い方に乗っていて、最初から最後まで楽しめる作品だと思いましたね。

――周囲からの反響はいかがですか?

千本木:第1話には蜂須賀は出てこないので、キャラクターに関する感想はまだもらえていないのですが、出演することが発表された時は「『ヴィジランテ』に出るんですね!」「楽しみです!」というお声をたくさんいただきました。

間宮:蜂須賀が人気で活躍を楽しみにしている方が多いのはわかるのですが、「ナックルが好き」という感想が多くて驚いています。あんな暴力的なキャラクターなのに(笑)!

――他キャスト・スタッフ陣のインタビューでも、「ナックルが好き」という声が多いです。

千本木:私も好きですよ!

間宮:本当に!?いや~、驚きです。一応ヴィジランテ側ではあるのですが、正義の味方で暴力を肯定するキャラクターってなかなかいないですよね(笑)。「好き」と言っていただけて、本当にありがたいです。役者仲間からも「見てるよ」「良いキャラだね」と言ってもらえることが多く、改めて出演できたことの喜びを感じました。

――第12話では、ナックルと蜂須賀の親子の激突が描かれます。2人の掛け合いがメインとなるシーンが多く登場しますが、演じる際にはどんなことを意識されたのでしょうか。

間宮:ナックルとしては、とにかく「娘を取り戻す!」という気持ちで取り組んだアフレコでした。こっちの熱が高ければ高いほど、蜂須賀の「なんだこの気持ち悪いオッサンは」という冷淡さが光るというか。お互いに、その温度差を意識して演じられた気がしています。

千本木:確かに。私も「なんだこのオッサン」と冷たくあしらうように演じたのですが、ただそれは、女王蜂の意識が大きいとされる時。後半にかけてだんだん苛立ちが目立つようになってくるのですが、徐々に雄黒珠緒としての意識が表に出て来ているんですよね。「女王蜂ではあるけれど、珠緒の意識も混じっている状態」というのを意識して演じました。

――掛け合いについて、お2人で何か話されたことはあったのですか?

間宮:ないですね。

千本木:むしろ「話しちゃダメ」とさえ思っていました。

間宮:わかります。スタジオの席も、前列の一番左端に俺が座って、一番右端に千本木さんが座っているという状態なんです。

千本木:これも話し合って決めたわけじゃなくて、自然とそうなったんですよ。

間宮:ですが、それまでは席を離してまで話さない姿勢を取っていたのに、この第12話の掛け合いが終わった瞬間に、2人で顔を見合わせて「ありがとうございます」と言ったんです。

千本木:謎に感謝を伝えたくなったんですよね。

間宮:同じです!本当にそういう気持ちになりました。

――第12話では親子のエピソードに加え、「なるフェス」のライブシーンが平行して描かれます。見どころや注目ポイントはどんなところでしょうか。

間宮:「なるフェス」ではみんなが力を合わせて成功に向かっているのに、ナックルと蜂須賀は壮絶な親子喧嘩を繰り広げているという対比構図が面白いです。たった30分の中に凝縮されている“物語のグラデーション”に注目してほしいですね。

千本木:「なるフェス」ではみんな一致団結しているのに、その一方で血みどころの親子喧嘩を繰り広げているって……見どころではありますが、なんだか切ない気持ちになると思います。その分、ポップたちが歌って踊るシーンでは、思いっきり笑顔になってほしいですね。

――第12話では、ナックルと蜂須賀それぞれの思いがすれ違う過去のエピソードが描かれました。原作や台本を読んで、2人の関係性について感じたこと、共感したことがあれば教えてください。

間宮:俺も親の立場なので、年頃の子供との距離感の難しさには共感することばかりでした。奥さんに対する態度もそうで、立ち回りの1つ1つが「よくわかるなぁ……」と。子供からしてこういう親父がウザイのもわかるし、奥さんが快く思っていないのもわかるのですが、親父ってだいたいこんなもんなんですよ(笑)。先ほど「ナックルが好きという声が多くて嬉しい」と語ったばかりですが、この父親の部分を見られると、もしかしたら嫌われちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしています(笑)。

千本木:ナックルと珠緒の関係は、大小はあれど、誰もが通って来た道だと思うんです。私自身も思春期は親に素直になれなかったし、無性にイライラしてストレスをぶつけてしまうこともありました。それを思い出してしまうシーンもあって、少し苦しくなってしまったり。そこに付け込んだ犯罪が、現代にもあるじゃないですか。それに子供が巻き込まれたと思うと、体を張って助け出したくなる親の気持ちもわかります。この第12話は、どんな年齢層や立場の方が見ても共感できる話になっていると思いましたね。

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