INTERVIEW インタビュー
航一役・梅田修一朗/ポップ☆ステップ役・長谷川育美/
ナックルダスター役・間宮康弘
オフィシャルインタビュー
――終盤に向けた物語の中で、それぞれのキャラクターの活躍や転機が描かれました。特にキャラクターの成長を感じられた部分はどこでしょうか?
梅田:最初はナックルに巻き込まれる形でヴィジランテの活動を始めた航一ですが、だんだんと自ら進んで行動に移せるようになっていきます。その成長は、“個性”に顕著に表れていますしね。「親切マン」の頃から人助けの心は備わっていましたが、頼もしさも板についてきたのが一番わかりやすい成長かと思います。きっかけはナックルとの出会いでしたが、成長に貢献した人物として、インゲニウムとの出会いは航一にとってすごく大きな出来事だったと思います。初めて自分の“個性”を肯定してくれ、“個性”の具体的な使い方も教えてくれた人ですから。
長谷川:ポップの成長を語るとすると、やはり“なるフェス”は欠かせません。それまで航一とナックル以外と深く関わるシーンがあまり描かれてこなかったポップですが、“なるフェス”ではたくさんの人と関わり、1つのステージを作り上げました。FeatherSとは色々ありましたが、ポップはちゃんと調和を取ろうと頑張りましたしね。「みんながいるから、私も何かできることをしないと」という気持ちが芽生えているのが見て取れて、成長過程を見届けている気分になりました。
間宮:これまでのナックルの行動を思い返すと、トリガーの売人を見つけるためには手段を選ばなかったり、やっていることが半分敵みたいですよね(笑)。ただ、彼の過去が描かれたことにより、そのような行動をとっていた理由が明らかになりました。娘が敵にされたり、奥さんが心身ともに病になったり……そんなことがあれば、そりゃ人間性もヤバくなるな、と。それが、航一やポップとの出会いで、人間性を徐々に取り戻したように感じます。2人との関係が彼の1つの居場所になったことで、人間らしさをもう一度再構築できたのではないでしょうか。
――この『ヴィジランテ』の収録を通じて、ご自身の成長に繋がった部分などがあれば教えてください。
長谷川:ポップの歌唱シーンって、ファンの「ポップちゃ~ん!」みたいな掛け声が入っているじゃないですか。ああいったライブシーンは、他作品のアフレコだと歌と掛け声は別録りのことが多いんです。ですが、本作の現場ではキャストさんたちの前で私が一度歌い、その後に皆さんの掛け声の収録をしたんです。それがとても新鮮な体験でした。歌ってから掛け声を収録することによって、リアルなライブのテンション感みたいなものが出ることが知れた現場でしたね。
梅田:確かに。なかなかないスタイルですよね。
間宮:そのライブ感を受け取って、僕たちも一生懸命叫びました。
梅田:掛け声は、その日の収録に参加している男性キャスト全員が担当しているんです。そのキャスト陣が信じられないくらい豪華で! あれは『ヴィジランテ』の現場ならではだと思います。
長谷川:オールマイト役の三宅さんも参加してくれたことがありました(笑)。
間宮:歌でいうと、コーイチも13話では歌うシーンがあるよね。
梅田:そうなんです。僕自身はそんなに歌は得意ではないのですが、コーイチは地味に上手いという設定があって(笑)。収録後に間宮さんから「上手いね~」と言ってもらえましたが、実は緊張で汗だらだらでした。
間宮:本当!?そんな風には見えなかったけどね。
梅田:歌うシーンも挑戦でしたが、コーイチという役はすべてが挑戦でした。自分の限界値を広げなければ演じられないキャラクターでしたね。
間宮:厳しいリテイクが入ったとしても、梅田くんは毎回それをしっかりと乗り越えていくんです。そして、その乗り越えた芝居というのが本当に良くて、毎回「どんどん芝居が上手くなっていくな」と思いながら見ていました。
梅田:ありがたいお言葉です……! やっている側としては、いっぱいいっぱいで。
長谷川:やっている本人よりも、聞いている方が変化に気づきやすいかもしれないですね。梅田さんの演技がどんどん変わっていくのは、私も感じていました。
間宮:俺は、第12話の収録で意識が飛びそうになりました。蜂須賀から電撃を食らうというシーンだったのですが、テストの時に一瞬ホワイトアウトしてしまって。戦闘シーンでやられる側になると、たまに乗っ取られたように意識がプツっと行ってしまうことがあるんです。本番では足を踏ん張って耐えましたが、意識がシンクロするという意味では、表現で目指すところの1つであり、シーンに臨場感に繋がったと思っています。
――これまでの物語を振り返っていただき、特に印象に残ったエピソード、セリフを教えてください。
梅田:航一は「ザ・クロウラー」を名乗る時が一番生き生きしていたと思います。
長谷川:毎回の状況に合わせて「~する男!」ってバリエーションも変化させていましたよね。ヒーローに憧れているからこそ、名乗りのパターンをストックしていたのかな(笑)。
梅田:ただ、「ザ・クロウラー」と知ってもらう道のりが長くて……。
間宮:「親切マン」とか「苦労マン」とかね(笑)。
梅田:「ザ・クロウラーだってば!」と言っている時期の方が長かった気もしますが(笑)。今となっては浸透し、またピンチに陥った時に1歩踏み出せるシーンも多くなりました。9話でインゲニウムと一緒に猫ヴィランから人質たちを助けるシーンがありましたが、航一がまた一歩ヒーローとして成長する姿を見られたので印象に残っていますね。
長谷川:ポップは、第5話での夜を駆けるシーンのモノローグにあった「あたしにとってはずっと、あなたは本当のヒーローだから」というセリフ。それまでは語られなかったポップの素直な気持ちが明らかになると共に、航一に対する思いが溢れていて、キュンキュンしてしまいました。月をバックに飛び跳ねるという、映像的にもステキなシーンでしたよね。
間宮:ナックルとしては蜂須賀との対決シーンは絶対に外せないのですが、第9話での航一の母親とのやり取りも印象的でした。まだ蜂須賀との関係性が明かされてない話数なのに、親の立場で子供の成長について語っていて、ナックルの暴力的ではない人間としての“深み”みたいなものが感じられたシーンでした。それを見返してから再度12話を見てもらうと、ナックルが実は愛情に満ちた父親であることがわかると思います。
――第13話の注目ポイントや見どころをお願いします。
梅田:先ほども言いましたが、コーイチが歌います(笑)。
長谷川:まだ“なるフェス”は終わっていないですからね!第12話で色々と乗り越えて大盛り上がりしましたが、コーイチの歌唱シーンという見せ場が残っています(笑)。また“なるフェス”出演者として、すっごくかわいいキャラクターが登場します。ぜひ“とっとこシスターズ”に注目してください!
間宮:最終回ということもあって、これまで登場したキャラクターたちが一堂に会する話数でもあります。また、ナックルと珠緒の掛け合いも見られますので、そちらも楽しみにしていただけたら。
――TVアニメ第2期が2026年に放送されることが発表となりました。第2期の見どころ、また楽しみにしていることを教えてください。
間宮:楽しみというより、気になることとして、ナックルはどこへ行ってしまったのでしょうか……。第2期は出番があるのか? ということを心配しつつ(笑)、“ヒロアカ”ファンの方々が特に楽しみにしているであろう、相澤先生の過去が描かれることについては、個人的にもすごく期待しています。
梅田:師匠の行方も気になりつつ、第2期も個性的なキャラクターがたくさん登場します。第1話からチラホラ顔を出しつつも、正体が明かされていない“傷顔の男”の存在もありますし、彼らが航一とどう関わっていくのか、新たに巻き起こる事件にも注目してください。
長谷川:航一とポップの関係性の変化も見どころです。真さんという手ごわい恋敵もいますので、この三角関係の行方にも注目してくれたら嬉しいです。